ADATARA Live Demonstration 2013

ADATARA Live Demonstration 2013 開催にあたって

 東北地方は、一昨年の大震災で甚大なる被害を受け、日ごろ当たり前の様に行っていたインターベンションをはじめとする診療業務も思うようにできない状態となりました。しかし、たくさんのご支援や心強いお言葉をいただき、何とか日常を取り戻すことができるようになりました。

 このADATARAライブも本年で17年目を迎えますが、震災後も継続して開催することができますのも、県内外のファカルティの先生方をはじめとする多数の関係者の方々のご協力の賜物であり、心より深く感謝申し上げます。

 開催当初と比べますと、各種デバイスは変遷し、最近ではDESが中心の戦略となり、冠動脈疾患に対するPCI治療において、より安全でより良好な初期成績および遠隔成績が得られるようになりました。またCTOに対してもretrograde approach法が成熟し成功率も安定し
てきました。

 このような治療法の進歩、各種デバイスの進歩は、単なる技術者の研究に基づいたものではなく、PCIの先駆者の先生方がそれぞれ積み重ねたラーニングカーブの蓄積に基づいたものであります。トップオペレーターと呼ばれる先生の手技には、そのラーニングカーブの蓄積
が凝縮されており、ライブの各場面のひとつひとつの手技において非常に勉強できるものが含まれております。

 本年度はまた、県外のエキスパートの先生方のお力をいただき、初級・中級・上級の各レベルのインターベンショナリストの先生方にとってそれぞれ有意義となるようなPCIライブデモンストレーションを企画したいと思います。また、若手の先生方を対象とした教育セッション、
new deviceや各種イメージングの最新の知見についてのレクチャーなどについても予定したいと思います。

 さらに、より良いハートチームの育成を考え、コメディカルスタッフに対しても有用な解りやすい企画を多数用意したいと存じます。

 このライブを通じて、安全かつ基本に忠実で、質の高いPCI医療を患者様に提供できるよう、そして地元の循環器医療のレベルアップと若手インターベンショナリストの育成を図り、地域医療の発展に貢献できるように努力していきたいと考えております。

 東北復興の礎となるべくADATARA Live Demonstrationをより活発な会として活動してまいる所存ですので皆様方の積極的なご参加をお待ちしております。

ADATARA Live Demonstration 2013
当番世話人 清野 義胤 (公益財団法人 星総合病院)